2021年7月25日 礼拝説教要旨

きょうどう-2021年 No.30 腹を立てるな 
         
 しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受け
る。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。    
                                   マタイによる福音書第5章22節

 主イエスは、御自分が来たのは、律法を廃止するためではなく、完成するためであると語られました。それは、律法をお与えになった神が、どんな思いで律法をお与えになったかを、ご自分が人々に正しく知らせられたからです。それで、主イエスは律法の本来の意味を、ご自分の言葉で明らかにしていかれたのです。

その一つが、今日の箇所です。当時のユダヤ人たちは、昔の時代から「殺すな。人を殺した者は裁きを受ける」と教えられていました。「人を殺してはならない」という戒めは当然守るべき戒めだとわきまえていました。もし人を殺すならば、裁きを受けることは当然だとわかっていました。

「しかし、わたしは言っておく」と新しい言葉で語り直されました。「兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける」。殺さなくても兄弟に心の中で腹を立てるならば、その人は神から裁かれるのです。でも実際、世の中のひどいことや身近なことにも、腹を立てることがしばしば起こっています。でも兄弟に腹を立てて、兄弟を「愚か者」と非難するなら神から裁きを受けると主イエスは言われます。こう語られる主イエスが、腹を立てる私たちを責められるだけでなく、私たちを救い出そうとしておられるお方だから、こう語られるのです。