投稿者: matsuyama-alliance
2020年7月5日 礼拝説教要旨
救いをもたらす神の力
三好 晴夫 牧師
ロ-マの信徒への手紙 第1章16-17節
主題聖句:わたしは福音を恥としない。福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです。
ローマの信徒への手紙 第1章16節
この言葉は、使徒パウロが、どうしてすべての人たちに福音を告げ知らせたいのか、その理由を示したものです。それは「わたしは福音を恥としない」からだというのです。ここで、自分は福音を誇りとしているからですと言ってよいところです。でも、こういう言い方をしたのは、当時の信仰者の置かれている状況への配慮からではないかと思います。彼らが主イエスの福音を聞き、信じ始めて行く中で、周囲の人たちから理解されず、恥ずかしい思いをしていることをパウロも同じ経験をして知っていたからだと思います。だから、福音を恥と思う時もあるかもしれないが、私はこの福音を信じ、恥としないと言い切るのです。
そう言い切れるのはなぜかと言うと、それは、「福音は・・・信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです」。福音とは主イエス・キリストの成し遂げてくださった救いの知らせです。すなわち、私たち人間が神から離れ自分勝手に生き、罪の中で神から栄光を受けられず裁かれそうになっていたのを、この主イエス・キリストが私たちの罪を引き受けて、十字架にかかって犠牲となられ救い出してくださったのです。主イエスは、罪の中にあった私たちを憐れんでただ信じるだけで救われるのです。そういう救いをもたらす神の力が、この福音にあるのです。
2020年6月28日 礼拝説教要旨
ローマ訪問の願い
三好 晴夫 牧師
ロ-マ信徒への手紙 第1章16-17節
主題聖句:あなたがたのところで、あなたがたとわたしが互いに持っている信仰によって、励まし合いたいのです。
ローマの信徒への手紙第1章12節
手紙の最初の挨拶を書き終えたパウロが、いよいよローマの信徒への手紙を書くのかについて書き始めています。それは、ローマの町に教会(信仰の共同体)があることを知ったので、ぜひともその教会の人たちを訪ねて行き良き交わりを持ちたいと願っているからです。
なぜパウロはローマの教会の人たちに会いたいのかと言うと、それは「“霊”の賜物をいくらかでも分け与えて、力になりたいからです。」
「霊の賜物」は、ローマ12章6節以下を見ますと、「預言の賜物」「奉仕の賜物」、教え、勧め、施し、指導などの賜物のことで、神の恵みによって授けられるものです。この賜物は祈って頂くだけでよさそうに思えますが、パウロは、この霊の賜物をローマの教会の人たちにいくらかでも分け与えるために、自分自身が出かけて行って直接人格的に触れ合うことで授けたいというのです。そうして彼らの信仰が力づけられるようにしてあげたいと願っているのです。そのことを言い換えると「あなたがたのところで、あなたがたとわたしが互いに持っている信仰によって励まし合いたいのです。」ということです。お互いに与えられている信仰と賜物を分け合って励まし合いたいと願っているのです。私たちも、この姿勢に見習い、自分の受けた信仰を持ち寄り、互いに支え合って歩もう。
2020年6月21日 礼拝説教要旨
信仰による従順へ
三好 晴夫 牧師
ローマの信徒への手紙 第1章1-7節
主題聖句:わたしたちはこの方により、その御名を広めてすべての異邦人を信仰による従順へと導くために、恵みを受けて使徒とされました。
ローマの信徒への手紙第1章5節
パウロがこの手紙を書いたのは、ローマの教会の人たちと真実な交わりを持ちたいと願ったからでした。それで、彼らと共通に理解し合える言葉を持って書き出しています。そのような共通に理解し合える言葉で福音の内容を書いたのです。それが御子、主イエス・キリストです。
次に書いたのが、パウロ自身とローマの教会の人たちとの共通の信仰についてです。「召されて」使徒とされた、「召されて」信じる者とされたという、「召されて」という信仰です。これは、聖霊の働きによって、福音の言葉を聞いて自分の罪を自覚し、キリストを知り、キリストを受け入れるようになっていくという信仰です。
その上で、パウロは、自分がすべての人に福音を告げ知らせるのは、「御名を広めてすべての異邦人を信仰による従順へと導くために」であると言います。すべての人が「信仰による従順」へと導かれることが、宣教の目的であるのです。信仰は、キリストの福音を聞くことによって呼び起こされます。神の言葉が伝えられて、人々に神の意志が知らされて、人々が聞いて、恵みを受け入れて信じることが始まります。信仰は私たちを罪から解放し、私たちをキリストへの従順に導くのです。まずは、私たちも、キリストの福音の言葉を聞き、信仰へと導かれたい。
2020年6月14日 礼拝説教要旨
福音とは何か
三好 晴夫 牧師
ローマの信徒への手紙 第1章1-7節
主題聖句:この福音は、神が既に聖書の中で預言者を通して約束されたもので、御子に関するものです。
ローマの信徒への手紙第1章2節
「ローマの信徒への手紙」は差出人パウロの自己紹介から始まり、その後、受取人への挨拶の言葉と続くはずです。ところが、2~6節に長い説明の文が入っています。それは、福音の説明です。1節でパウロ自身が「神の福音のために選び出され」と記したので、福音の内容を説明せずにはおれなくなったのでしょう。それほどに、パウロには、自分を支えているのは、福音だという思いがあったからです。その福音をまず説明せずにはおれないのでしょう。
それでパウロは、福音を説明しようとして書き始めるのですが、ここでは要約です。しかも、パウロの独特の言い方ではなく、当時の教会の共通の信仰の告白でまとめられています。そうするのは、パウロとしては、自分が設立した教会ではなく、しかもまだ一度も会ったこともない教会の人たちと真実な関わりをしようと思うならば、まずは共通の信仰告白の言葉で言い表した方が良いと思ったのでしょう。まずは福音を語らなければならないと思ったのです。そのようにして福音を語り合うことによってローマの教会の人たちと真実な交わりを持ちたいと思ったのです。真実な交わりは福音によることが分かっていたのです。
パウロの伝える福音は、神が既に預言者たちを通して約束として語り続けられて実現したものであり、御子イエス・キリストの救いです。