きょうどう-2021年 No.43 暗い顔をしないように
断食するときには、あなたがたは偽善者のように沈んだ顔つきをしてはならない。 マタイによる福音書 第6章16節
この箇所で、主イエスは断食を勧めているのでも、否定しておられるのでもありません。当時の人々が、信仰のあり方の一つとして守っていた断食に注目し、この断食のあり方を通して、今日の私たちの信仰生活の基本的なあり方を明確に指摘しておられるのです。
断食は、少しの期間食事を断つことです。旧約時代以降、イスラエルにおいて、神の前に罪を悲しみ悔い改める時に、断食をして、心も体も集中して深く罪を自覚し、神に心を向けて祈りと悔い改めをしました。深く悲しむために自ら食を断つことをしたのです。
主イエスが教えられたことは、信仰生活は、人にではなく神に見てもらうことを心がけよということです。神に心も体も向けて断食するときに、誰かに見てもらい、自分がちゃんと信仰生活をしているのを見てもらおうとしてしまうことがあったのです。それでは、神に向けてではなく、人に認めてもらおうとしていることだと指摘されています。むしろあなたの断食が人に気づかれないで神にだけ見ていただくようにしなさい。暗い顔をせず、喜んで過ごしなさい。主イエスにあって神の前に罪を悔い改めることは、主イエスから罪赦されて喜びに至ることだからです。主イエスが共におられます。このお方と共に喜んで歩むのです。