きょうどう-2023年 No.43 主にふさわしい者
わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない。わたしよりも息子や娘を愛する者も、わたしにふさわしくない。
マタイによる福音書 第10章37節
このみことばに接するとき、多くの人々は戸惑いを感じるでしょう。主イエスの語られた言葉としてはあまりにも突飛と思われるからです。
この主イエスのみ言葉の背後には、主イエスご自身の血みどろの体験があったのです。主イエスはユダヤ教的な家庭の中で生まれ育ち、神に仕えることと同様に両親に仕えられました。しかし、救い主としてみ父に従って歩み始めたとき、神に仕えることと親に仕えることが必ずしも一致しなくなりました。父なる神の御心に従って歩もうとされるとき、それはさらに著しくなりました。主イエスの母や兄弟も主イエスを理解できなくなっていき、主イエスは大変苦悩されたと思います。そのような肉親の情愛を経験された主イエスが「自分の家族の者が敵となる」と語られるのです。このみ言葉の一語一語に主イエスの苦悩を見ます。
信仰の道を進もうと決心しても、肉親の反対にあって決心が揺らぐ場合もあります。しかし、ここも主イエスが体験され、主イエスが通られた道です。肉親の情愛は、突き詰めれば自己中心的な愛です。それが応えられないと、激しい怒りと憎悪に変わります。このような情愛を乗り越えてキリストに従うことが求められています。家族の愛はありがたいですが、主イエスの救いはもっと大事ですから、従いましょう。