2012年6月3日 礼拝説教要旨

主題聖句:「主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。」

         フィリピの信徒への手紙4章4節

説教主題「喜びの確認」

 この手紙は“喜びの手紙”と呼ばれています。「わたしは喜びます。あなたがた一同と共に喜びます。同様に、あなたがたも喜びなさい。わたしと一緒に喜びなさい」と既に(2章17,18節)でパウロは述べています。感情は最高潮です。交響曲にはテーマ(主旋律)があって、それが少しずつ調子を変えて、全体の中に時折現れます。それと同じように、この手紙の底流には “喜び”が基調音として流れているのです。

 「喜びなさい!」と言われると、喜びを押し付けられているように感じます。「喜ぼうと思って簡単に喜べるくらいなら、何も苦労はしません。喜べない状況の中にいるから悩んでいるのじゃないか!」と反発を感じるかたもおられるでしょう。だからといって「無理に作って、喜んでいるかのように見せかける」のは虚しいことです。

パウロは第3章から「主にあって喜べ!」と強調します。空っぽの井戸から水を汲み出すことは出来ません。こんこんと湧き出る泉から尽きない水が流れ出るように、キリストという源泉が喜びを生みます。牢屋につながれ、明日は処刑される身の上なのに、どうしてパウロ先生は喜べるのだろう? ! とても喜べるどころではないはずなのに…。

 喜ぶことのできない状況の中でこそ、その現実を突き破って喜ぶことはできるはずです。「キリストを信じている者は喜べる!」キリスト者は喜べる現実の中に置かれています。この命令は、押し付けではなく、喜べる現実にいることを悟らせ、信者を喜びの中に招いているのです。


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