きょうどう-2021年 No.33 善をもって悪に勝て
しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。 だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。
マタイによる福音書第5章39節
「目には目を、歯には歯を」という言葉はよく知られています。この言葉の本来の意味は、レビ記24章20節を見るなら、人々がケンカをして、人に被害があれば、その傷害を加えた者はそれと同一の傷害を受けなければならないという刑罰の定めでした。被害に応じた罰が定められていて、それ以上の仕打ちを止めていたのでした。しかし、ユダヤ人指導者たちは、目がやられたら、必ず目を打つ、歯をやられたら、歯を打たなければならないと教えたのです。そのように、今日でも解釈されているのではないでしょうか。
これに対して、主イエスは「悪人に手向かってはならない。」と教えられました。悪人が自分に被害を加えてきたら、こちらは大変苦しんでしまいます。それなのに、悪人に手向かわないでいることが果たしてできるでしょうか。怒りや恨みを抱かず、相手に仕返しをしないでいるのは難しいことです。誰にもできないことのように思います。
ですが、この言葉を聞いている私たち、すなわち、神を信じ主イエスを信じている私たちには、主の憐みによってさせていただけるかもしれません。自分が神から赦していただいたと言う思いを頂いて、このことを自分で解決するのではなく、神が放っておかれない、後始末をしてくださると信じるとき、神がさせてくださるのではないか。