2018年12月2日 礼拝説教要旨

 解放の時が近い

三好 晴夫 牧師

ルカによる福音書 第21章25-36節

 

 

主題聖句:このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさいあなたがたの解放の時が近いからだ。 

ルカ福音書 第21章28節

    

 今年も12月に入りました。日中は暖かい日差しがありがたく、紅葉の木々も色鮮やかです。でも、夕方5時を過ぎると早くも薄暗いです。この暗さは今日の時代の暗さを象徴しているように思えます。経済的不況が続いています。貧富の差が大きく、息苦しい状況がいたるところにあって我慢を強いられています。

 

この様な真っ暗な状況は、これまでも、主イエスの時代にもあり、主イエスも、そのような時代の問題点を厳しく指摘しておられます。それと共に、この暗い状況がいつまでも続くのではなく、明るい将来がある事を語っておられます。今日の箇所には、世の終りと思えるような天体が揺れ動かされて、人々が不安に陥り、気を失うようなことが起こることが指摘されています。もしそういうことになれば、私たちはそれに耐えることができないでしょう。しかし、その時、「人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを人々は見る。」とあります。暗闇の状態が続くばかりではなく、私たちの解放の時が来るのです。解放とは、代価を支払って奴隷を買い戻し解放するという贖いの業を意味する言葉です。主イエス・キリストの十字架の贖いは、ご自身の血によって人の罪を赦すための御業でしたが、キリストの再臨における贖いは、すでに始まったこの救いの出来事を完成させるために解放の時です。その時が近づいているのです。キリストの救いを信じて待ち望みましょう。

2018年11月25日 礼拝説教要旨

 主が救い出してくださった

三好 晴夫 牧師

使徒言行録 第12章1-19節

 

主題聖句:すると、主の天使がそばに立ち、光が牢の中を照らした。天使はペトロのわき腹をつついて起こし、「急いで起き上がりなさい」と言った。                               使徒言行録 第12章7節

    

 神を信じて従う歩みには、誤解とか反対を受けることがあるのですが、その中でも、神様は私たちを守り助けてくださるのです。

 

今日の箇所には、エルサレム教会を襲ったさらなる迫害と、それを受け止めた教会と信仰者の姿が記されています。エルサレム教会への迫害はこれまで最高法院に属するユダヤ人の指導者たちによるものでしたが、今度は政治権力者による教会への迫害が加わったのです。

 

ヘロデ王がユダヤ人指導者たちに喜ばれようとして、彼らと対立関係にあったキリスト教会を迫害し、民衆とユダヤ人指導者を自分の味方につけようとしたのでしょう。彼はまずエルサレム教会の中心人物の一人ヨハネの兄弟ヤコブを殺害しました。次に同じ中心人物の一人ペトロを捕え、牢に入れたのです。それで教会ではペトロのために熱心な祈りが神にささげられていました。

 

その時牢獄にいたペトロはどうしていたのかというと、二人の兵士が彼の左右にいてお互いを二つの鎖でつながれて監視されている状態でしたが、そんな中にも眠っていたのです。それはすべてを神に委ね、安心しきっていたからこそ、眠ることが出来たのでしょう。彼が引き出される前夜、主の天使が現れて彼を牢から引き出されました。それは本当に不思議なことでした。神に従う者を主は救い出してくださるのです

2018年11月18日 礼拝説教要旨

 アンティオキア教会の誕生

三好 晴夫 牧師

使徒言行録 第11章19-30節

主題聖句:主がこの人々を助けられたので、信じて主に立ち帰った者の数は多かった。                      

  使徒言行録 第11章21節

    

 迫害が起こって、主イエスを救い主を信じるユダヤ人キリスト者たちはエルサレムを出て各地に散らされて行き、そうして住み着いた町々で主イエスを伝えていましたが、その時は伝える相手は同じユダヤ人でした。ユダヤ人だけと交わるべきという固定観念があったからでした。

 

ところが、キプロス島やキレネに住んでいた、ユダヤ人キリスト者たちは、北部のシリアのアンティオキアに移り住んで行き、そこでも福音を伝えたのでした。アンティオキアとは、シリアの大都市で、色んな国から人々が集まってきていて、シリア人、ギリシャ人、さらにユダヤ人も多くいました。その町に住み始めたキプロス島やキレネから来た、ギリシャ語を話すユダヤ人キリスト者たちは、古い伝統に固執しないで、同じ町に住むユダヤ人だけでなく、ギリシャ語を話すギリシャ人たちにも語りかけたのでした。その内に、その人達に主イエスについて福音を語り始めたところ、彼らは反応を示したというのです。天地万物の神の存在を知らない、聖書のことも知らない彼らに、丁寧に神様の愛、神の御子イエス・キリストによる救いの御業を語ったところ、多くの人々が主イエスを信じたのです。それは、主が、彼らと共にあって、彼らを助けられたからでした。彼らはただ福音を伝えただけでしたが、主が彼らを導いて人々の心に福音を届けて驚くべきことをされました。主の支えを信じて主イエスを伝える時、主は助けてくださるのです。