「主イエスの洗礼 」
マタイによる福音書 第3章13-17節
政所邦明牧師
主題聖句:「イエスは、神の霊が鳩のように御自分の上に降って来るのをご覧になった」
マタイによる福音書 第3章16節
バプテスマのヨハネがユダヤ地方の荒れ野に現れ、「神のもとに立ち返りなさい。」と悔い改めを宣べ伝えます。さらにヨルダン川沿いに行き、水で洗礼を授けておりました。しかし、ヨハネは自分の奉仕の限界を知っています。「自分は水で洗礼を授けるけれども、これはあくまで準備にすぎない。わたしの後から主イエス・キリストがおいでになる。この御方は聖霊によって洗礼を授けてくださる。水による洗礼は聖霊による洗礼を前もって形に表すだけだ。しかし、聖霊による満たしと支配とが起こらなければ、単なる形だけのことになってしまう。」とヨハネは考えていたのではないでしょうか。
水で洗礼を授けているヨハネのところに群集に埋もれるようにして イエス・キリストが来られました。ヨハネから水で洗礼を受けるためです。ヨハネは戸惑います。自分はこの方の履物を脱がせる値打ちもないし、自分の方がこの方から洗礼を受けたいくらいだと思っていたからです。
主イエスが洗礼をお受けになった後、ヨハネが目の当たりにしたのは天が主イエスに向かって開かれ、聖霊が鳩のようにこの方に降られる出来事でした。水で洗礼を受けた人に、さらに主イエスが聖霊によって洗礼をお授けになることをヨハネは知っていたでしょう。しかし、イエス御自身が聖霊に満たされるのを目撃させられるとまでは思わなかったはずです。ヨハネは自分の語ったことにますます確信を持ったに違いありません。聖霊に満たされたお方が、聖霊を授けてくださることによって、自分の授ける水による洗礼が、神の御前に、実態の伴う真実な救いになるのを確信したのです。