福音とは何か
三好 晴夫 牧師
ローマの信徒への手紙 第1章1-7節
主題聖句:この福音は、神が既に聖書の中で預言者を通して約束されたもので、御子に関するものです。
ローマの信徒への手紙第1章2節
「ローマの信徒への手紙」は差出人パウロの自己紹介から始まり、その後、受取人への挨拶の言葉と続くはずです。ところが、2~6節に長い説明の文が入っています。それは、福音の説明です。1節でパウロ自身が「神の福音のために選び出され」と記したので、福音の内容を説明せずにはおれなくなったのでしょう。それほどに、パウロには、自分を支えているのは、福音だという思いがあったからです。その福音をまず説明せずにはおれないのでしょう。
それでパウロは、福音を説明しようとして書き始めるのですが、ここでは要約です。しかも、パウロの独特の言い方ではなく、当時の教会の共通の信仰の告白でまとめられています。そうするのは、パウロとしては、自分が設立した教会ではなく、しかもまだ一度も会ったこともない教会の人たちと真実な関わりをしようと思うならば、まずは共通の信仰告白の言葉で言い表した方が良いと思ったのでしょう。まずは福音を語らなければならないと思ったのです。そのようにして福音を語り合うことによってローマの教会の人たちと真実な交わりを持ちたいと思ったのです。真実な交わりは福音によることが分かっていたのです。
パウロの伝える福音は、神が既に預言者たちを通して約束として語り続けられて実現したものであり、御子イエス・キリストの救いです。