良くなりたいか
三好 晴夫 牧師
ヨハネによる福音書 第5章1-18節
主題聖句: イエスは、その人が横たわっているのを見、また、もう長い間病気
であるのを知って、「良くなりたいか」と言われた。
ヨハネによる福音書 第5章6節
エルサレムに「ベトザタ」と呼ばれる池があり、その池の水が動く時、真っ先に水に入った人は、どんな病気にかかっていても癒されると信じられていました。それで、病気を抱えた人たちが皆、その池の回廊に横たわって、水が動くのを今かと待っていたのでした。そこに38年も病気で苦しんでいる人もいました。そこに主イエスは来られて、その人をご覧になり、その人が長い間病気であるのを知って、声をかけられたのです。「良くなりたいか」。この言い方は、分かり切ったことを聞く問いかけのように思えます。でも、意味深いもののように思えます。直訳をすると、「あなたは病気が治るようになることを願っていますか」となります。彼は自分が長い間病気で苦しみ、この池に来ていてもなかなか治るチャンスが来ないまま、ずっとここにいました。この問いかけは、彼の心にあった求めをもう一度呼び起こすことになりました。
しかし、彼は、「主よ、わたしを池の中に入れてくれる人がいないのです。」と言い訳を言いました。でも、自分の本当の求めを呼び覚まされたこの病人に、主イエスは、あなたが良くなりたいと願うのなら、「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい」と励まされたのです。すると、この人は、主イエスのみ言葉に込められた御力に押し出され、主イエスの言葉に従ったとき、彼はしっかりと歩き出すことができたのです。