ペトロにも伝えよ
政所 邦明 牧師
マルコによる福音書 第16章1-8節
主題聖句: 「さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。…」
マルコによる福音書 第16章7節
金曜日の夕方、十字架からおろされた主イエス様の体をきれいに拭き、香油を塗って葬りの準備を婦人たちはしたかったのです。けれどもその時は日暮れが迫り、十分な暇がありませんでした。安息日あけのよく日、日曜の朝、夜が明けるのを待ちかねたように、婦人たちはお墓にでかけます。
行ってみると、入り口を塞いでいた大きな石が脇に転がしてあり、墓の中が覗けました。ふつうではない気配を婦人たちは感じます。中には天使と思われる人物がいて、主イエスのお体がないのを示して、「主は甦られた」と告げるのです。そして男の弟子に伝言を頼みました。内容はこうです。「主イエス様は先にガリラヤに行って、あなたたちを待っておられる。行きさえすれば、お目にかかれる」その時、弟子たちとは区別するように、「ペトロ」の名前を天使は挙げました。「ペトロにもまた」、あるいは「そしてペトロにも」と訳せるのです。
婦人たちは、はじめ恐ろしくなって黙っていました。しかし、そのうちのひとりマグダラのマリアに甦られたイエス様は出会ってくださいます。もう男の弟子たちに黙っているわけにはゆきません。
男たちは聞いても信じません。その11人が食事をしている時、主は現れてくださいました。「ペトロにも」とわざわざ付け加えられたことをマリアはそのまま伝えたはずです。3度も知らないといったペトロは主イエス様に顔向けができないと思っていたでしょう。しかし、そのペトロにも主は出会ってくださいます。お忘れになることはけっしてなかったのです。