謙遜を身につけよ
政所 邦明 牧師
ペトロの手紙一 第5章 5-7節
主題聖句:「同じように、若い人たち、長老に従いなさい。皆互いに謙遜を身に着けなさい」
(ペトロの手紙一 第5章5節)
2章は主人の身分にある人、奴隷の身分にある人、またそれぞれ家庭で夫と妻の立場にある人々への勧めでした。これは何もキリスト者だけに限ったことではなく、信仰を持たない人にも当てはまる倫理でしょう。
ところが5章に入りまして、まず長老たちへ勧めます。「神の羊の群れを牧しなさい。」(5:2)「羊の群れ」とは教会です。つまり教会内の秩序について扱っています。長老たち、すわなち、教会で指導的な立場にある人と若い人たち、すなわち信仰に入ってまだ日の浅い信者たちがお互いどのように接すればよいかペトロは薦めているのです。
長老たちは、自ら進んで、献身的に群れ全体の世話をするように求められます。この世で経験したことをたくさん蓄えているでしょう。しかし、世と世の欲の危うさと、信仰に立たないでこの世の知識に頼ったため、失敗に陥った体験も持っているかもしれません。先輩の信仰者たちにペトロが期待するのは、この世を愛するよりも神を愛して苦難を切り抜けた信仰を長老たちが後輩に伝えることなのです。
若者たちは自信過剰に陥り、年配者たちの信仰経験を軽く見る傾向にあります。「頑固で融通がきかない」と決めつけてしまいます。考えが浅はかなのです。教会での年長者と若い人とは互に謙遜になることを求められます。キリストが神であられたのに人となられたクリスマスに、キリスト者同士の謙遜の原点があるのです。