自らすすんで
政所 邦明 牧師
ペトロの手紙一 第5章1-2節
主題聖句:「あなたがたにゆだねられている、神の羊の群れを牧しなさい。…神に従って、自ら進んで世話をしなさい。」
(ペトロの手紙一 第5章2節)
ヨハネによる福音書第21章によれば、ティベリアス湖畔(ガリラヤ湖)で復活なさった主イエス・キリストはペトロに現れなさいます。そして、「わたしを愛するか」と3度も尋ねられるのです。3度聞かれたのでペトロは〝悲しくなった〟(21:17)とあります。「あなたを愛していることはご存知です」とペトロは答えました。3度愛するかと聞かれただけではなく、愛するのであれば、イエス様の羊を世話し、養うように3度も念を押されます。主イエスを愛するのと、このお方の羊たち、すなわち信仰者の群れ・教会の世話をすることとは切っても切れない関係にあると主が言われたのです。この出会いと会話は鮮烈にペトロの心の中に残り、その後の使徒ペトロの人生の目標を決定づけたことでしょう。その時のご命令を繰り返すように「神の羊を牧しなさい」と、仲間の長老たちに勧めます。
この課題は何もペトロひとりに限りません。教会の指導者全員に負わされたものです。信仰者はキリストの尊い血によって贖われた群れです。イエス・キリストによって罪赦され、救われました。この者は〝神の教会〟と呼ばれています。ペトロたち指導者のものでもありません。信仰者たちの勝手な思いから「自分たちのものだ」と主張することも許されません。
「キリストの支配と所有に入れた群れが教会である」と自覚すると、長老たちはどのように振る舞い、指導すべきかが自ずと見えてきます。キリストが望まれるように、キリストを信じる群れにふさわしく整えるのです。