人間ダビデ
政所 邦明 牧師
ルツ記 第4章13-22節
マタイによる福音書 第1章1-17節
主題聖句:「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。アブラハムはイサクをもうけ、…エッサイはダビデ王をもうけた。」
マタイによる福音書 第1章1、2、6節
今から3000年前にベツレヘムに生まれたダビデは、羊飼いの少年からイスラエルの王になった人です。その名は旧約聖書では800回ほど、また新約聖書でも60回も出てきます。「聖書(旧約)はご自分について証言をする書物だ」とイエス・キリストは言われました。旧約聖書のみならず新約聖書も、もちろんそうです。[ヨハネ福音書5:39]イエス・キリストを知るために信仰者は聖書を読みます。「ダビデの子孫として生まれ、死人のうちから甦ったイエス・キリストを、いつも思っていなさい。これがわたしの福音である」[テモテへの第二の手紙2:8 口語訳]ですから、キリストを知り、信じるためにはダビデを知るのがとても大事なのです。
ダビデは多様な面を持った人物です。王になるまではもちろんのこと、王になってからも“凄まじい、戦(いくさ)”を内外の敵と繰り広げます。それだけでなく、心の内では自らの罪と“のた打ち回るように”戦いました。そして苦悶の果てに、神に立ち返るのです。その姿から信仰を教えられます。
詩編にはダビデの作とされるものが数多く残っています。豊かな文学性を備えた作品です。しかも、すべてに信仰が満ち溢れています。神に訴え、嘆き、祈ることをダビデは知っていました。祈りのうちに罪を悔い改め、神のもとにこそ赦しのあることを、わからせていただいたのです。神に愛された罪人、神を信じて、従ってゆこうとする姿を人間ダビデの中にみます。①ダビデを知ることはイエス・キリストを知ること、さらに ②信仰生活を知ることに通じていると思います。それゆえに、ダビデの生涯を学びたいのです。