最初のしるし
三好 晴夫 牧師
ヨハネによる福音書 第2章1-11節
主題聖句:ぶどう酒が足りなくなったので、母がイエスに、「ぶどう酒がなくなりました」と言った。
ヨハネによる福音書 第2章3節
ガリラヤのカナで婚礼があり、その婚礼に主イエスも招かれて出席していた時のことです。当時の婚宴において、ぶどう酒は不可欠な飲み物でした。ですから、途切れないように十分に用意しておいたはずです。それなのに、めでたい祝宴が盛り上がっている最中、突然ぶどう酒がなくなりかけるという非常事態が起きてしまいました。
このままなら、盛り上がっている祝宴に穴をあけてしまう。楽しい席が白けてしまうかもしれません。台所にいる人たちは、残り少なくなったぶどう酒をどう補充したらよいか、方法も見つけられず、不安の中にあったのです。私たちの人生にも、「ぶどう酒がなくなる」というような困ってしまうことが起こることがあります。
そういう時、イエスの母は非常事態に直面し苦しむ親戚の新婚の二人、その家族を思い、何とかできないか必死に考えたのです。その時に、ここにイエスがいると気づいたのです。そしてこの窮状をイエスに伝えたのです。けれども、イエスの答えは、何かよろよそしい印象を与えるものでした。イエスのお考えがあり、自分に託された使命の時がまだ来ていないと言うのでした。しかし、その上で、イエスは人間の一つ一つの欠乏、必要に心を留め、その苦しみ困難を助けてくださるのです。主イエスは、僕たちに指示を与え、僕たちの従順な行動を用いて、喜びがなくなりそうであったところを、喜びの場に変えてくださいました。