ためらわないで一緒に
三好 晴夫 牧師
使徒言行録 第10章9節-23節a
主題聖句:“霊”がこう言った。「三人の者があなたを探しに来ている。立って下に行き、ためらわないで一緒に出発しなさい。わたしがあの者たちをよこしたのだ。」 使徒言行録 第10章19、20節
ユダヤ人であるペトロは、ユダヤ人の宗教的文化的伝統に基づいて、食べて良いものと食べてはならないものの規則を厳格に守っていました。それだけでなく、ユダヤ人から見れば、汚れた物を食べている異邦人は汚れた人として、外国人と交流を持つことを避けていました。
ある時、神を畏れる者であるローマ人百人隊長のコルネリウスの使いがペトロの滞在しているヤッファの町に近づいたころ、ペトロは自分の滞在する家で祈っていました。彼が昼一時頃、幻の中で、天が開き、大きな布のような入れ物が地上に降りてくるのを見たのです。その中にあらゆる獣や這うものなど食べてはいけない物が入っていました。すると「ペトロよ、身を起こして屠って食べなさい」と言う声がしたのですが、ペトロは即座にユダヤ人の伝統に基づいて清い物と定められているもの以外は食べませんとはっきりと言ったのです。すると「神が清い物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない。」という声がしました。そういうことが3度ありました。それで、ペトロは今見た幻はどういうことかと思案したのです。丁度その時、コルネリウスからの使いが彼のいる家に到着し、霊から「立って下に行き、ためらわないで一緒に出発しなさい」との語りかけを受け、ペトロは、自分を招こうとする外国人からの招きをためらわずに受けることを、主の導きと知ったのです。