神を欺いた結果
三好 晴夫 牧師
使徒言行録 第5章1-11節
主題聖句:ところが、アナニアという男は、妻のサフィラと相談して土地を売り、妻も承知のうえで、代金をごまかし、その一部を持って来て使徒たちの足もとに置いた。
使徒言行録 第5章1,2節
初代教会の中で起きた悲しむべき出来事が記されています。エルサレムの初代教会は、イエスを真の救い主であることを信じることに一つとなって、互いに助け合う信仰の交わりを持っていました。しかし、その教会も完全ではなく、罪が入り込む余地があったのです。
4章34節以下にバルナバはじめ土地を持つ人々が自発的にそれを売ってその代金を教会に献金していたとあります。それは、神への感謝として自分の人生そのものを神と教会にささげる信仰の姿でした。
それを見た、アナニアとサフィラは自分たちもそのようにして教会に評価されたいと思ったのでしょう。彼らは相談して自分の土地を売り、その一部を持ってきて教会に献金しました。そこだけを見ますと、彼らも立派な献金をしたと見えました。けれども、そこに、神を欺く罪があったという指摘がありました。彼らのどこに問題があったのでしょうか。土地の売却金の一部しか献金しなかったことが問題なのではありません。彼らは、自分たちの生活も考えて出来る範囲のものをささげようとしたのでしょう。でもその時、彼らは献金を、自分の土地の代金全部を潔く献げたものだと見せかけたのです。しかも夫婦で共謀したのでした。彼らはうまくやったと思ったでしょうが、それは、人ではなく、神を欺く罪でした。