十字架上の主イエス
三好 晴夫 牧師
マルコによる福音書 第15章21-39節
主題聖句:三時にイエスは大声で叫ばれた。「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。
マルコによる福音書15章34節
主イエスは人々に神の愛を伝え、人々の病を癒した救い主であり、何の罪も犯していない方なのに、自らをユダヤ人の王と主張して人々を惑わしたと人々から訴えられて、裁判で十字架につけられることが決まり、遂に十字架につけられてしまいました。その裁判の時も十字架の時も、主イエスは何の弁解もせず黙ってその苦しみを耐え続けられました。
昼12時になったとき、全地が暗くなり、それが三時まで続き、三時になったとき、主イエスは大声で「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」と叫ばれたのです。この叫びは神に向かっての叫ぶような祈りです。ご自分の死が間近に迫っている中で、死の恐ろしさを思い、ご自分が神から見捨てられたと感じられたのだと思われます。
見捨てられること、神から見捨てられることは大変恐ろしいことです。
主イエスが神から見捨てられたのは、実は私たち人間の罪を受けとめられて、人間の負うべき罪の大きさを感じられたからです。使徒パウロはそのことをこう説明します。「罪と何のかかわりもない方を、神はわたしたちのために罪となさいました」(Ⅱコリント5:21)神のご計画によって、私たちを罪から救うために、罪のないイエスを十字架につけられ、私たちの身代わりに裁かれ、見捨てられてくださったのです。