父親の信仰
三好 晴夫 牧師
マルコによる福音書 第9章14章1-14節
主題聖句:「その子の父親はすぐに叫んだ。『信じます。信仰のないわたしをお助けくだい。』」
マルコによる福音書第9章24節
私たちは、より確かな真実を求めようとするからでしょうか。簡単には信じない、疑う事が当たり前の世界に生きています。そういう世界の中で、目に見えない神様の存在、神様のなさる御業を信じることが難しいのです。
今日の聖書箇所に登場する、霊に取りつかれて苦しむ息子を持つ父親も、信じることができない状態にありました。それは、息子の病気の症状があまりにも重くて、どうにも助ける事ができずにいたし、主イエスの弟子たちに助けを求めたが、できなかったからでした。
この父親が主イエスに尋ねられて、自分の息子の窮状を説明したあと、「おできになるなら、わたしどもを憐れんでお助けください」とお願いしました。
自分の息子のことを主イエスにお願いしても、無理だろうという思いがありました。でも、もう一方で、息子を救ってもらいたいという切実な思いがあったので、父親は正直な心を持ってお願いしたのです。これは、信じているのではなく、信じてはいないけれど、もし何か起こればありがたいというほどの願いでした。
すると、主イエスは、この父親をたしなめられました。「『できれば』と言うのか。信じる者には、何でもできる。」これは、全能の御力を持っておられる救い主イエスの言葉です。父親は、へりくだった態度で語っていましたが、主イエスが助けて下さるとは信じ切れていませんでした。信じる者には、何でもできる。救い主によって強くされるのだ、信じて願えと言われたのです。
そう言われて、父親は、自分の信仰のない事に気づき、「信じます。信仰のないわたしをお助けください」と求めたのです。その願いが聞かれるのです。