ただ信じなさい
三好 晴夫 牧師
マルコによる福音書 第5章21-24節、35-43節
主題成句:「イエスはその話をそばで聞いて、『恐れることはない。ただ信じなさい』と会堂長に言われた。」
マルコによる福音書5章36節
私たちの出会う大きな苦しみとして、身近な存在が突然、重い病気などで厳しい状態になり、もっと厳しくなることがあります。そんな戸惑い、苦しむ私たちを、主イエスはどう受け止め、どう助けて下さるのでしょうか。
当時、ユダヤ人の尊敬を集めていた会堂長ヤイロの娘が、重い病気で死にそうになっていました。父親ヤイロは、自分の立場も世間体も捨てて、主イエスに助けを求めました。それで、主イエスはヤイロと一緒に彼の家に向かわれました。しかし、大勢の群衆が主イエスに押し迫っていて前に進めません。そんなとき、会堂長の家から人が来て、娘がなくなったと知らされたのです。娘が生きていたから、彼は主イエスにお願いしていたのです。しかし、娘は死んだ。これからどうしたら良いのか、父親は途方に暮れたでしょう。厳しい現実を突きつけられて悲しむ父親を慰める言葉を誰が持っているでしょうか。
しかし、主イエスは彼に伝える言葉を持っておられます。『恐れることはない。ただ信じなさい』 主イエスは、恐れや不安で一杯の父親に、恐れるな。わたしが人間のいのちを支配し、治めている。わたしはあなたと共にいる。わたしを信じなさいと語られたのです。主イエスはそう言うことの出来るお方なのです。
こう語って、主イエスは向かった彼の家にいる人々に、「なぜ、泣き騒ぐのか。子供は死んだのではない。眠っているのだ」と語り、娘に「起きなさい」と呼びかけられて、起こされたのです。主イエスが十字架にかかられて後、死人の中より復活されることを予告する力ある御業であります。