神にのみ頼る
政所 邦明 牧師
マルコによる福音書 第6章6-13節
主題聖句:「…イエスは付近の村を巡り歩いてお教えになった。そして、12人を呼び寄せ、2人ずつ組にして遣わすことにされた。」
マルコ6章6,7節
ガリラヤの町々村々を巡り歩いて、主イエス・キリストは神の国の福音を宣べ伝えられます。「神のご支配がこのお方と共に始まっている」…これが宣教の内容です。しかし、聞いた人が快く受け入れてくれるとは限りません。故郷ナザレでは、会堂に集まった人がイエス様につまずき、不信仰に陥ります。(5節)、それでも主はひるまれません。伝道を続けられ、志と熱意とは、変わることはありませんでした。
活動を始められた時、まず4人の漁師に「わたしについて来なさい」と声をかけられます。さらにこれと思う人を呼び寄せます。その中から、12人を選び抜かれ、「使徒」と名前をお付けになりました。「12人を(ご自分の)側に置く」(3章13,14節)ことが選抜の第一目的です。12人は主と行動を共にし、教えを聞き、また、主の力ある業に立ち会いました。
12人の選任後、ご自分は伝道の最前線から身を引き、宣教は弟子たちに任せることもできたはずです。準備が整い、12弟子をふたりずつお遣わしになる時でさえ、主イエスが伝道の業をおやめになるわけではありません。依然として中心には伝道なさろうとするイエス様がおられます。冒頭の6,7節のみ言葉は、一見当たり前のようでありながら、伝道の中心が主イエスであるのをよく示しています。「使徒」たちは主イエスの伝えられた「神の国の福音」を託されたにすぎません。12人は、ご命令に従い、主の業を受け継ぎます。この御方が、神の守りと支配とを、保障してくださるからこそ、持ち物を最低限に留め、神を信頼し、安心して出て行くのです。