主イエスを愛する
政所 邦明 牧師
ヨハネによる福音書 第21章1-19節
主題聖句:「…ペトロはイエスが3度も、『わたしを愛しているか』と言われたので、悲しくなった。」
ヨハネによる福音書第21章17節
復活なさったイエス・キリストはティベリアス湖(ガリラヤ湖の別名)畔で弟子たちに現れなさいます。ペトロには3度も「わたしを愛しているか」と尋ねられました。同じことを3度も聞かれたのでペトロは〝悲しくなった〟とヨハネ福音書は記しています。「よほどイエス様から信頼されていないな」とペトロは思ったのかもしれません。また、主イエスが十字架に掛かられる前に3度も「あの方のことを知らない」と関係を打ち消した出来事を思い出し、おそらく心が疼いたのでしょう。
これからご自分の大切な羊たちの指導をペトロに委ねようとしておられます。信頼しているからこそ大事を任せるのです。そのためにペトロが主を愛し、信じて従ってくる気が本当にあるかを確かめたいと思われるのは当然と言えます。生半可な気持ちでペトロにお尋ねになったとは思いません。
何度も聞かれるので、結果として、ペトロは追い詰められることになります。「神の御心に適った悲しみは、取り消されることのない救いに通じる悔い改めを生じさせ…」とパウロは申しました。(コリントの信徒への手紙二第7章10節) 神が導いて下さる悲しみによって、ペトロは悔い改めに至ります。これから群れの指導者になるペトロにとって必要な事です。
自分の愚かさ、罪深さと同時に、主に対する愛の無さも思い知らされたでしょう。新しく造り替えられ、再出発するためには自分の無力を知るだけではなく、主イエスの恵みを深く味あう必要があります。愛を尋ねられることによって、これまで以上に主を愛する大切さをペトロは確認したのです。